2020年11月に読んでよかった本をまとめます。
これまでは3選としていましたが、11月はほとんど読めていなかったため、1冊のみの紹介です。
『あの日』小保方晴子(著)
STAP細胞問題で一時世間を騒がせた小保方さんの暴露本(?)。
当時のことは捏造した小保方さんがメディアから叩かれ、僕自身も不正行為をした小保方さんへの否定的な見方をしていた記憶。
本書は、小保方さん側から見たメディアによるリンチ行為、指導教授からの裏切りなどこの本を読むまで知らなかった内容が記されています。
この本は、佐藤優氏が何かの本でオススメ本として紹介していた記憶があります。
ブックオフで100円で売っていたので、とりあえず購入していていました。
専門用語が所々あるのが難点ですが、読んでみたら面白くてあっという間に読み終わりました。
基本情報
真実とは?誰が悪かったんだろう
この本の価値は、世間から一方的に批判の的にされた小保方さんが、なぜそのようなことに関与し、巻き込まれたのかを被害者としての立場から記したところにあります。
なので、これまで知らなかった情報が多くありました。
この本を読んでいるとメディアの酷さ、指導教授(若山教授)の裏切り行為、研究者の世界の複雑さ(世間との感覚のズレ)を思い知らされます。
特にメディアが格好の標的にして、人権を侵害し、面白おかしく報道するさまには嫌な印象を感じざるを得ません。
報道によって、悪者にしていいという印象が植え付けられ、集団心理で人を追い込んでいく流れの怖さを改めて知ることができました。
この本では小保方さんが自身の論文の記載方法などに問題があったことは認めていますが、捏造の根本的責任は自分以外のところにあり、いつの間にか自分がその流れに巻き込まれていたという書き方でした。
この本はあくまでも小保方さん視点で書かれた本であり、内容がすべて事実とは限りません。
精神的にボロボロの状態が続いていた時期があったと書いてあるように、その時期のことを明確に覚えているのかちょっと気になりますしね。
本当の事実が明らかになってほしいなあと思うのですが、無理なんでしょうね。
再び掘り起こされることはないでしょう。
小保方さんにどれほどの責任があったのかはわかりませんが、有望な研究者がこの事件によって研究者人生を失われたのが本当に残念でなりません。
一度足を踏み外したら最後で、やり直しが効かない社会システムは問題だと思います。
誰でも程度の差はあれ、過ちを犯すのだから、誰でもやり直しができる仕組みが必要なのではないでしょうか。
こんなことを考えるきっかけになった本です。
こちらは、小保方さんが個人名を挙げて批判していた記者の本。
人権を侵害し、脅迫まがいの取材を行ってきたそう。
それが事実かどうかはわかりませんが、逆の立場から見た本を読むことも欠かせませんね。
今後読んでみたいと思います。
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